【yearning%切望】




「嗚呼、日輪よ…」
血を吐きながらも太陽に手を伸ばすこの男は
少し狂っていると思う

そしてそんな狂った男を愛している俺もまた、
狂っているんだと思う


「なぁ、最期くらいは日輪サンじゃなくて俺のこと見てくれねぇ?」
最期にしたのは俺なんだけどね


「…貴様になど、興味無いわ」
一瞥もせずにひたすら太陽を求める

『欲しい』
『光が欲しい』

こいつは太陽を切望しながら死ぬ
結局、俺を愛したことなんて一度もなかった

「好きだったんだけどな」

「戯れ言を申すな…っ、気色が悪い」

地面に広がる真っ赤な血
太陽のように美しい血溜まり



僕は君を切望する
(君は彼を切望した)



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