【rage%憤怒】





波色の眸が揺らいでいた

「…もっと、自分を大事にしろよ、っ!」
綺麗とは言い難い泣顔
まるで自分のことのように悲しい顔をしていた

「我のことなど、どうでもよかろう」
そう呟く自分は
厭になるほど冷静だ
他人事のように感じる

「お前は…お前の為だけに生きてるわけじゃねぇ!」
元親は憤怒した

「では何の為に生きろと申す」
そう、問いかけると

「お前を大切に想う人の為だ」

真っ直ぐに向けられたその右目は
愛おしいと思った



_

[TOPへ]
[カスタマイズ]




©フォレストページ