小話

□風の帰るところ
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窓を開ければ冷えた風が、頭痛をまねく鈍い熱をさませた。

海は、底知れない青緑の色で深くよどむ。海上に月の光は降らない。たちこめた雲がおおい隠してしまうからだ。
僕にはわからない。
一体、当たり前のように、波があすも起こり、日は差すのか。黒いベールを晴らすのか。

・・・・・あの人は、どこへ行った?

恐れずに顔を上げる。
天上にきらめく君の名を探せば。
雲の合間に白い輝きが望めた。遠い9光年の先から僕のところへ。

風はどこへ帰るのか知らない。
けれどあなたの帰る場所が、ここであれと願っている。







*memo*
ここまでたどりついて読んでくださってありがとうございますー。
天狼星との距離は8.7光年だそうです。
遠いなぁ・・・!!




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