小話
□愛し児
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子守唄を歌おう。歌おう。
いとし子、あなたの為に。
名前を呼びましょう。
あなた、まあるい目がぱっちりとこちらを向く。
眠ることはそっちのけ
空ゆくほうきの影見上げ、天上へと手を伸ばす
ここより前の記憶の名残りだろうか、
羽のようにうごく手のひら、
彼の歌うことばは。
おいで、おいで、やわらかい髪を抱かせてちょうだい。
なにを伝えよう、あなたの父と母のことを?
どれだけ愛しているのかということ、
それ以外には?
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