小話

□大王イカの予言
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「××年七の月、大王イカが降りてきて、この世のすべてを墨の中に沈め、世界は終末を迎えるだろう」
「そんなことあってたまるか」
「降りて? ジェームズ、海から上がってくるの間違いじゃないの?」
「いや、リーマス。僕はそのまま読み上げたまで」
「クソくだらねえ。怪文だろ、燃やせ」
「シリウスはなーヒマヒマ言ってんだから、この状況を楽しんだらどうかなあ? あ、紙とるなよ!僕のだ、僕が受け取ったんだ」
「さっき拾ってたろ」
「大王イカっていったら、20年に一度現れるっていうあのでかいイカ」
「でた?リーマスの採集癖」
「そいつ食べられるのか」
「靴底みたいにかたくってね、とても食べられないはず。シリウス、おなか空いてるの? スミに毒があって、解毒が難しいんだって」
「へえ。迷惑なやつ。今ごろはどこで寝てるんだろ」
「リーマス、チョコはひっこめろ。今すぐだぞ!吐き気がする」
「そう? ひどいな。新製品なのに……ひとりで食べるよ」
「この予言の手紙、どうしよう?」
「燃やせ」
「また落としておけば? ジェームズみたいなやつが喜ぶだろうね」
「あーあ。まったく、つまんないやつら友達にもったよ」

***

「……む、大王イカ? 確か珍しい薬の材料になったか……」
「何それ、スネイプ」
「今月、大王イカがやってくるという報せだ。いい事を聞いた」
「それ、信じてたらホグワーツどころかこの世がおしまいになっちゃうよ?」
「心配無用だ。あれのスミは高値で取引されるからな、イカが吐き出す前にみんな採集しておく」
「なんっか……頼れるなあお前って!」



おしまい。

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