TOA小説
□Why have you disappeared?
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私は外にいた。
近くのグランコクマか、はたまたどこかで流れている水の音は、自分の蒼い軍服に染みついた私の血を流してはくれなかった。
「あぁ、…私は 死ぬの で、すね 。」
何度も考えても、「死」の意味が理解できなかった私に今、身をもって実感させられている。
言葉で発してみて、それでも、私はわからない。理解できない。
目の前に広がっている薄暗い空を見て、私はあの時のことを思い出していた。もしかしたら、これが走馬灯という類のものなのかもしれない。
この、空はあの時と同じにみえた。