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□let's stud…y?
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−それは、ある日の昼下がり‥
開け放った窓からは、うるさいほどに蝉の鳴き声が聞こえてくる真夏の一時−



「ねぇ 小狼くん?」

コロンという、シャープペンシルを置く音と共に、彼女が声をかけてくる。

「どうしたんだ?」

とは答えてみたものの、小狼は次にさくらの口から飛び出すことをすでに予測していた。



−そろそろ 休憩しない?−
「そろそろ 休憩にしない?」

−やっぱり…−
これで、もう3回目だ。
もともと今日は2人で少し夏休みの宿題を片付けておこうという約束だった。
これは勉強があまり得意とは言えないさくらにとっては、願ってもないチャンスだったはずなのだが…
さくらは先ほどから休憩ばかり求めている。
小狼は気づかれないように、小さく溜め息をつくと、なるべく諭すような口調で言った。

「あのな…
まだ始めてから1時間も経ってないぞ…」

「はーい」

そう答えて、ペンを握り直したようだが、先ほどから同じ問題ばかり睨んでいるし、明らかに集中もできていない。
何より顔が、不満そうなのが一目瞭然だった。

−そろそろ 限界か…−

そう思って、紅茶でも淹れて、本当に休憩にしようか、と思った時だった。
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