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□visit his house
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「どうぞ」

小狼の優しい声でさくらはふっと、我に返った。

−私ったら、玄関の前でぼうっ、としてた−

自分から小狼の家がいいと言い出したものの、やはり彼の家に入ることに緊張しているのだろうか。
その部屋の敷居は、一度超えると二度と出られないような気も、今超えるなければ一生越えられないような気もする。
複雑な心境を胸に、立ち止まってしまったさくらを小狼はややかしこまった口調で、優しくエスコートしたのだ。

−小狼くんも緊張してるのかな?−

先ほどの小狼の口調から、微かな緊張が感じ取れる。
もっとも、さくらが思ったより、小狼の緊張は遥かに大きかったのだが…

「お邪魔します」
そう言ってから自分もすこしかしこまっていることに気づく。
小狼は小学校のころ住んでいたのと同じマンションの一室に住んでいた。

−キレイなお部屋−

さくらは部屋を見てまずそう思った。
いや、キレイという表現は少し間違っているかもしれない。必要最小限の家具しか揃えていないため、片づいていて、部屋が広く感じられる。男の子の部屋って大抵こんなものだろうか?などと思いながら、さくらは小狼に進められるがままに、数少ない家具のうちの一つであるソファに腰を下ろした。
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