▽輪廻転生

□逢
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「「お疲れ様でした」」

ミーティングが終わった。

ゾロゾロと帰り始めた江華中の皆。

『あたしも帰ろ』

そして、玄関に向かったのだ。



「もうそろそろじゃないですか?」

ゾロゾロと出てきた江華中の女子。

チラチラとこちらを見ながら出て行く。

「ねえ、橘 怜奈ちゃんってまだ帰ってないよね?」

総司がある女子に話しかけた。

「っはい、まだだと思いますよ?・・・あ、来た来た!」

それじゃ、と言って彼女は行ってしまった。

そんなことより・・・

「来たな。」




・・・なんだろ、あの人達。

玄関に溜まって、邪魔くさっ・・・。

わざと顔を見ない様にして、通り過ぎようとしたとき。

「おい、待て。」

と、腕を掴まれた。

痛い、と思って掴んだ主の顔を見た。

・・・土方、さんだった。

どうすればいいのだろう。

わからなくなったから、咄嗟に

『痛いんだけど』

掴まれてる腕を指して言った。

「あ、悪ぃ・・・。」

するとすぐに手を離してくれた。

・・・でも、どうすればいいんだろう。

他を見渡せば、皆が居た。

総司、一君、近藤さん、そして、左之。

悟った。

皆、記憶があるんだと。

そして、気付いた。

あたしは、怖がっている。

彼らを。

腕が、足が、微かだけど震えていた。

もう無理だ、と語っていた。

特に、彼・・・そう、左之を見ると思い出す。

アノ光景。

目眩がする。

早く、此処から離れたい。

そして、あたしは思った。

あたしは、彼らとは関われない。

否、関わりたくない。

彼らが悪いんじゃない。

弱い、あたしが悪いんだ。





だけど、この思いは簡単に打ち砕かれる。




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