ANSWER

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「…梛、ちょっと良い?」

「なんですか?」



昨日もあまり寝てないまま、一時間目を睡魔と戦い続け、勝利した私を佐々木先生が呼び止めた。
今から寝ようと思ってたのに、な。
まあ佐々木先生なら致し方ない、と佐々木先生の後をついていく。
背面黒板には黄色いチョークで《学級組織決め》と書いてあった。
少しだけ嫌な予感がしたのは気のせい、と言うことにしたい。



「……学級代表、やってくれない?」

「ええー」



ほらね、やっぱり嫌な予感は当たってしまった。
去年生活委員なんてやったせいだ。
ちくしょう、去年の私め、何考えてるんだ ばか。



「頼む、他にできそうな人居ないから」

「…今年は園芸って決めてるんです」



もちろんハッタリ。
まあ去年は前期生活委員、後期園芸委員で通してきたから、別に園芸でもいいのだけれど。
ただぱっと浮かんできたのが園芸委員、ってだけだ。



「そんな嘘はいいから。よろしく」

「ちょ、佐々木先生…!」



必死の抵抗(正直そこまででもないけれど)も虚しく、佐々木先生は私を廊下に置いて職員室に帰っていった。
生活委員なんて仕事のせいで死のうかとすら思ったのに、今度は学級代表だって。
まあ別に生活委員だったから死にたいとか思った訳じゃ無いのだけれど。
参ったなあ、とぼうっとしたまま突っ立っていると、職員室のドアが開いた。
佐々木先生だったら文句のひとつでも言ってやろうと思ったけれど、見事に外れる。



「こんにちは」

「……こんにちは」



黒崎先生は私の顔を見てにやりと笑った。
これだからこの人は掴みきれないのだ。








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