□博識であるがゆえ、狂気。
1ページ/2ページ



私には可愛い弟がいる。

小さい頃に親を亡くしてから、ずーっと2人で一緒に生きてきた。

私の可愛い可愛い弟。

そう、無は私だけのモノ。




無[ただいま]

皆「おかえり、無。今日は誰と話したの?」

無[今日は没くんと落くん、あと有くんとも話したよ。あ、あと帰りに知らないおばあさんに道聞かれたな]

皆「おばあさん?どんなおばあさんかしら?本当に道を聞かれただけなの?もしかして私の可愛い無に気があったんじゃ…」

無[いや、それはないでしょ。おばあさんだよ?]

皆「いいえ、たとえおばあさんだろうと女には変わりないのよ。きっと無に気があったんだわ。」

無[え…そうなの?]

皆「そうよ、そうに決まってる。…無、私あれほど言ったわよね?女とは話すなって。」

無[いや、でも、今回は道を聞かれただけだから…]

皆「ダメよ。今後また知らない女に道を聞かれるようなことがあっても、無視しなさい」

無[………わかった]



私には愛しい弟がいる。

私の言う事はなんでも聞いてくれる、私を必要としてくれる。

私の愛しい愛しい弟。

そう、私は無だけのモノ。







博識であるがゆえ、狂気。


無「僕、大きくなったらお姉ちゃんのお婿さんになるんだ!」

皆「あらほんと?それは楽しみ…ね。」



その言葉を信じて。





→あとがき
 
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ