文
□博識であるがゆえ、狂気。
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私には可愛い弟がいる。
小さい頃に親を亡くしてから、ずーっと2人で一緒に生きてきた。
私の可愛い可愛い弟。
そう、無は私だけのモノ。
無[ただいま]
皆「おかえり、無。今日は誰と話したの?」
無[今日は没くんと落くん、あと有くんとも話したよ。あ、あと帰りに知らないおばあさんに道聞かれたな]
皆「おばあさん?どんなおばあさんかしら?本当に道を聞かれただけなの?もしかして私の可愛い無に気があったんじゃ…」
無[いや、それはないでしょ。おばあさんだよ?]
皆「いいえ、たとえおばあさんだろうと女には変わりないのよ。きっと無に気があったんだわ。」
無[え…そうなの?]
皆「そうよ、そうに決まってる。…無、私あれほど言ったわよね?女とは話すなって。」
無[いや、でも、今回は道を聞かれただけだから…]
皆「ダメよ。今後また知らない女に道を聞かれるようなことがあっても、無視しなさい」
無[………わかった]
私には愛しい弟がいる。
私の言う事はなんでも聞いてくれる、私を必要としてくれる。
私の愛しい愛しい弟。
そう、私は無だけのモノ。
博識であるがゆえ、狂気。
無「僕、大きくなったらお姉ちゃんのお婿さんになるんだ!」
皆「あらほんと?それは楽しみ…ね。」
その言葉を信じて。
→あとがき