その他×ツナ 1

□キミの常識 ボクラの非常識
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 「ヤだよ。冗談じゃないっ!」

 『そこをなんとかっ!!頼むよ〜〜〜〜!!なっ?このと〜〜〜り!!!』

 「嫌だったら嫌だってば!!」


 「このとーり」なんて電話越しに言われたって、本当に頭を下げる気があるのかわかったもんじゃない。
 断固として要求を突っぱねるつもりで、オレは携帯を握りしめて声を荒げる。


 「だいたい、なんで俺が出なきゃなんないんだよ!獄寺君はともかく、山本だったらちゃんと頼めば都合つけてくれるだろ!?」

 『そりゃもちろん頼んださ!頼んだけど無理だったから沢田に連絡してんじゃん!!』

 「はぁぁ!?山本が無理だって言ったんなら無理じゃん!山本の都合なんかどうにもできないよ俺だって!!」

 と、言い放ったところで奇妙な沈黙が返ってきた。
 ・・・なに??なにその「わかってないなぁ〜、やれやれ」みたいな長い溜息。

 『いいか沢田。お前は自分の価値を分かってない』

 「は???」

 『とりあえずお前さえ来れば山本を確保できるのは間違いない!んで、お前が来ればもれなく獄寺が付いて来るのも間違いない!』

 これはもう自然の摂理だ、この世の原理、宇宙の大原則なんだと力説され、オレにはわけがわからない。

 「ぇ、う、うええええ??」

 『しかもだ。山本と獄寺が出てくれば女子の参加率が一気に上がる!!』

 「ぅあー・・う、うん。そりゃあまぁ、そうだろうけど・・・」

 それについては否定のしようもない。
 親友ふたりがどれだけランクの高いイケメンで、どれだけ女の人にモテるかなんて、10年間傍で見続けてきたオレが一番よく知っている。

 『で。女が出るなら男も出る!』

 「・・・・・・・・・。つまり??」

 『つまり今回の成功はお前の出席にかかってる!』

 「なにその無茶苦茶な三段論法!!!???」

 『ってわけで頼むっ!!!みんなに会いたくないならちょこっと顔出すだけでいいから!山本と顔合わせたらすぐ帰っていいから!!』

 「いや、でも俺ムリだからっ!!もう欠席ってハガキ出してるからっ!!」

 『んなのどーでもいいに決まってんだろーが!!ホントマジお願いしますっっ!!来てくれんなら会費いらねーからっ!なっ?とにかく獄寺連れてきて!山本だったら沢田が来るってひとこと言やぁ飛んでくんだからっっ!!』

 「ええええぇぇぇ〜〜〜〜!!??」

 イヤだ。行きたくない。絶っ対、死んでも行きたくない。

 誰が好き好んで笑い者になるもんか。晒し者の蔑み者になるとわかっててノコノコ行くバカがどこにいるっていうんだ!
 だってアレだぞ!?10年前のオレっていえばダメダメ全盛期だぞ!?封印したいと思いこそすれ、元クラスメイトに会って昔話に花を咲かせる気なんてこっちはサラサラないっての!!





 よりにもよって中学校の同窓会なんて。


 絶対行かない、行ってたまるかと。オレはこのとき、久々に死ぬ気になって全力で参加を拒否した。






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