山本×ツナ1

□欲張りハニー ※R18※
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 甘い。


 「―――っん、ふぅ・・・」


 甘い甘い、ツナの唇。


 「・・・っ、―――んんぅ・・・」


 ツナの口の中は、熱い。いや、今すげえ興奮してっから、俺が熱いのかな。よくわかんねえ。
 強引に舌を突き入れて、怯えて奥に引っ込む舌を絡め取る。ぴちゃぴちゃと音を立てて吸って、口蓋を舌先でなぞったら、小さな身体がピクンと跳ねた。

 「・・・・・・んっ、ふ、ぁ」

 「・・・・・・ツナ・・・」

 ツナの声も、匂いも、体液も、唾液だって甘い。甘くて甘くて、ずっとこのまま永遠に口づけていたいけど、ちょっとそれは無理そうだ。もう限界。もう入れたい。今日は自分でも抑えが利かねえし、そもそも抑える気がねえ。
 なんたって今日は、ようやく部の遠征試合から帰って、10日ぶりにツナに会えたわけで、完全にツナ切れの俺としては――――

 「やっ、やまもと、山本!待って!」

 「ん?」

 はやる気持ちのままツナの服を取っ払ったら、俺の下に組み敷いたツナが急に暴れ出した。見れば、ツナが少し焦ったように身を捩ってもじもじしている。脱ぎかけの服が腕に絡まって、全裸よりエロい。

 「・・・あの、ええと・・・その、ね?」

 ちらりと俺を見上げる潤んだ瞳。すべっすべの肌に上気した頬。モノ言いたげなツナの可憐さにズクンと下肢が脈打ち、爆ぜそうな痛みに「う・・・」と呻いて顔を顰めた。

 「や、山本??」

 「・・・あのな、ツナ。俺今日ちーっと余裕ねーからさ。あんま焦らさねーでくれっかな」

 「っ、え!?あっ、そ、そそそっか、ゴメン。急にこんな時間に来て。山本疲れてるのに・・・俺・・・」

 ハッと青褪め、急に申し訳なさそうな顔になってから、叱られた子供のようにしゅんと萎れたツナは鈍い。鈍いが、・・・やばい、かわいい。

 「や。時間じゃなくって・・・こっちの問題」

 嘆息して、ツナの手を取って自分の股間に押し当てる。脈打つ生々しさにビクっと手を引っ込めようとするツナの手を、俺は放さない。はくはくと口を動かしたツナはみるみる真っ赤に染まって、どうしたらいいのかわからない顔で俺を見て、じわっと瞳を潤ませる。

 「ここでナシとか言われっと、さすがにキツいんだけどな」

 「あっ、ちが!ナシとか・・・じゃ、なくて。・・・・・・・・・する、けど」

 ポショリと付け足された最後の言葉に、パッと喜色満面になる。

 「だよな!―――なら、もう無理。もう待たねえ。ツナが可愛いすぎんのが悪い」

 「ぇ? わっ!・・・―――んんっ、」

 “待て”を解かれた犬さながらガバっと覆いかぶさった俺の下で、「ヤっ、ダメっ、山本!」とツナがじたばた暴れた。往生際の悪いツナを押さえつけて首筋に唇を這わせる。

 「っ・・・、山本ってばっ!!待っ・・・!!」

 「ん、わり、後で聞くから。あー、ツナの肌すべっすべなのなー・・・もうずーっと触りたくて触りたくて、気が狂う寸前だったんだぜ?」

 「なっ!!・・・じゃなくて山本っ!!俺がっ!!俺がするからっっ!!!」

 「うんうん、わかった、とりあえず後で―――」



 ――― ピタ



 ・・・・・・ん?あれ?なんかいま俺、すっげぇ台詞を聞き流さなかったか・・・??

 固まった俺にほっと力を抜いたツナは、大きなくりくりの瞳に決意の強さを宿して、キッパリ宣言した。


 「山本っ、今日は、俺が全部するから・・・・・・っ!!」


 「―――・・・はぁ???」


 ぽかんと口を開けて固まった俺の下肢に手を伸ばしたツナは、俺のズボンから昂ったモノを迷いなく取り出し、そこへ顔を寄せてくる。

 「おわっっ!!ちょっ・・・ツ、ツナ??え?いったいどうしたんだよ、なんだよ急に!?」

 ビックリしすぎてわけがわかんねえ。軽くパニックになった俺に、ツナは俯いてきゅっと唇を噛んだ。
 ほんの一瞬、奇妙な間を空けて押し黙ったあと、思い直したようにぐっと俺を見上げる。
 手を前について俺を見上げる瞳が蠱惑的に濡れていて、思わずごくりと喉が鳴った。恥ずかしさに震えながら、それを克服するかのようにひとつ息を吸うと、ツナは濡れた紅い唇をゆっくりと動かした。


 「俺に・・・・・・させて?」


 「――――ッ!!??」


 「・・・・・・お願い・・・」


 その場でイかなかった俺を、誰か褒めてくれ。



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