山本×ツナ1

□そのまんまの君が好き ※R18※
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「・・・・・ねえ。 何かあった?」


「ん?」



久しぶりに予定がなく、2人揃ってゆっくりできる日曜の夜。

せっかくだから呑みにでも行こうかと誘った綱吉が、問答無用で恋人の部屋のベッドへ引きずり込まれ、散々好き放題されたあげく、やっと解放された午前1時。
うつ伏せでぐったりしたまま、綱吉は隣で自分を飽きずに眺めている精悍な男前に、聞きたかった疑問を投げかけた。

「何かって?」

綱吉の汗ばんだ額に張り付いた前髪を掻きあげ、露わになったおでこにキスをして、山本が聞き返す。
情事の後も色濃くベッドへ撃沈している綱吉とは対照的に、その元凶である山本はスッキリした顔で、むしろ爽やかである。
綱吉の背中に覆いかぶさった上半身は逞しく、その筋肉はトップアスリート同様鍛え上げられ、無駄がない。

額、頬、耳元へ落とされるバードキスを心地よく受け止めながらも、綱吉は騙されないぞというように恨めしげに山本を見た。自分の鎖骨のあたりを指差して、はっきり言う。

「コレ」

首筋から鎖骨、胸板、二の腕・・とにかく綱吉の身体中に、無数の紅い痕が散っている。
薄いピンクのものからしっかり歯型が付いて青紫に変色しているものまで。

いつ何があるかわからないから、できるだけ痕は残さないで欲しいという綱吉の意向で、極力キスマークは残さないように愛し合うのが2人のルールだ。もちろん夢中になれば多少は残るが、毎回山本が理性を総動員するおかげで、目につくところには残ったことがない。

それが。

たぶん、おそらく、ここまで痕を残したことはないというほど、全身くまなくキスマークだらけなのだ。これで何も訊かないほど、綱吉も鈍くない。
改めて綱吉の身体を見た山本もさすがに頭が冷えたのか、バツが悪そうに眉尻を下げて愁傷に謝った。

「・・・・悪い」

「別に怒ってるわけじゃないよ。オレはどうして山本がこんなことしたのか聞いてるの」

「・・・・」

いつも余裕があって飄々と笑っている山本が、こんなに分かりやすく口を閉ざすのは珍しい。綱吉はハッとして、おそるおそる山本をうかがう。

「・・・もしかして・・オレ、何か悪いことした?」

綱吉だって、別に山本を責めたい訳ではないのだ。ただ、何か思うことがあるなら言ってほしいと思うのは、恋人としての傲慢だろうか。
不安に思って聞きにくいことをあえて尋ねてみると、山本はぶんぶんと首を振って否定する。

「いや!! ツナは悪くねーよ!! 俺が考えすぎちまっただけでさ。・・・・・ん?あれ?・・・でもやっぱツナも悪いのか?」

「えぇ!? 何それ、どういうこと!? オレ何かした!?」

そのままうーんと唸りだした山本に、綱吉が噛みつきそうな勢いで声を上げ、問いただす。

「いや、実はさー・・・」

と、言いにくそうに切り出した山本の話はこうだった。



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