山本×ツナ1

□君に逢いたくて
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綱吉は自宅のドアのカギを開け、門を開いた。
そこには、今にも沈みそうな真夏の赤い太陽に照らされた親友の姿。

「山本っ!」

「よっ!ツナ、久しぶり!」

片手を挙げて挨拶する山本は、夏休みだというのに制服を着ているし、部活道具の入ったカバンも持っている。どことなく埃っぽい様子から、部活の帰りなのだろうと綱吉は思った。

「どうしたの?こんな時間に」

「んー。なんかツナのこと考えてたら急に会いたくなってさー。気が付いたらココ来てた」

「えぇ!?なにそれ?」

驚く綱吉には、ハハハと笑う目の前の好青年がどこまで本気で言っているのかわからない。

「今月入ってからずっと会ってなかったじゃん?もーそろそろ俺ツナ切れでさ」

寂しかったぜー、と言いながら、きゅーっと綱吉に抱きついてきた山本に、綱吉は苦笑する。

「もー、ツナ切れって・・・。――っていうか、オレはヒマなんだよ。会えないのは山本が部活と店の手伝いで忙しいからだろ?」

呆れたように言ってから綱吉は手をぐっと突っ張って山本から身体を離した。唇を突き出して軽く山本を睨むフリをする。
その仕草が可愛らしくて、さらにそれが綱吉も自分に会えなくて寂しかったと言ってくれているように見えて、山本はますます笑みを深くした。堪らず、山本はぐしゃぐしゃっと綱吉の髪をかき混ぜた。

「わーるかったって。でも13日からは休みだからよ。どっか行こうぜ」

「え、ホント?」

「おう。お盆は店も休みだしな」

ニカっと笑った山本に、綱吉はパッと目を輝かせ、「やった!」と頬を紅潮させる。
そして「どこいこうかなー、獄寺くんも空いてるかなぁ」なんて、嬉しそうに言った綱吉の言葉に。

山本の笑顔が消えた。

「・・・やまもと?」

あれ?と言うように小首を傾げて、綱吉は大きな瞳で不思議そうに山本を見つめる。
するとどこか苦々しいような、感情の読めない表情で山本がボソリと言った。

「・・・獄寺とは毎日会ってんの?」

「え? ・・・うーん。さすがに毎日じゃないけど、結構よく会ってるよ」

あー、でもなんだかんだ言って3日に1回は来てるかなー、なんて言いながら、獄寺のことを思い出したのかクスっと笑った綱吉に山本がムっとして。

「ツーナっ」

その思考を遮るように、ちょっと怒ったような声で山本が呼んだ。

「?な、―――や、やまもと?」

綱吉が返事をするより早く、その華奢な身体を乱暴に引き寄せて自分の腕に閉じ込めた。


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