山本×ツナ1

□口は災いのもと
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ある日の夜。
山本とまったり過ごしていた綱吉が、突然盛大に溜息をついて言った。


「あーやっぱり、背だけでももうちょっと欲しいなー」

「なんでだよ。いーじゃん、今のままで」

きょとんとして山本が言う。

「別にそこまで小さいってわけじゃねーだろ?」

「だって!」

キ、と目を怒らせて綱吉が主張し始めた。

曰く。

せめて上背だけでももう少しあれば、他のマフィア関係者にナメられずに済むハズだと。


「・・・・・・・・・」


ツナ、それは身長だけの問題じゃねえよと心の中で突っ込んだが、長年の親友兼恋人は懸命にも沈黙を守った。

「だってさー、いまだにオレに言いよってくるの、男ばっかりなんだよ!?」

ずいっと身を乗り出し、唇を尖らせた綱吉は怒りにまかせて一気にまくしたてる。

「今日のパーティーだって“野に咲く花のよう”だとか”天使”だとか“まるで女神”だとか!歯の浮くようなことばっかり言われてさ、もうオレ完っ全に男だと思われてないわけ!!いくら童顔で女顔で小さいからってバカにするにも程があるだろ!?」

仮にもオレボスだよ!?マフィアのトップだよ!?
何が悲しくて男に口説かれたり触られたり撫でられたりキスされなきゃならないんだよ!あいつら口開けば口説き文句しか出てこないしっ!もうイタリア男なんて大っきらいだ―――!!

と。何を思い出したのかわなわなと拳を作って、思わずワンプレスで叫んだ綱吉だったが。

ハッと気付いて真っ青になる。


「・・・ツナ。そこんトコ、ちょぉーっと聞き捨てならないのな・・・」


地を這うような低い声。

がしっと肩を掴む目の前の恋人を見れば、一見爽やかな笑顔だが、目が完全に笑ってない。
さらにこめかみの青筋と、背景のどす黒いオーラが、ただでは済まない様相を醸し出している。


「や・・・やまもと?」


なんで手に時雨金時が・・?
あ、しかも死ぬ気の炎まで纏ってる・・・?


顔を引き攣らせた綱吉が、この後いくつかの傘下ファミリーが壊滅したと聞いて後悔したとかしてないとか・・。







END

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