フルバSS
□星に願いを
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春休み
いろいろな出来事が、ありました
気持ちの変化も…
そんな中でもまた、皆さんとちょっとした旅行に行けることになって、嬉しかった…
けれど
「みんなもうすぐ就職とか進学とかで忙しくなるでしょ?これが最後になるかもしれないし、思い切り楽しんでおいでよ」
今回お仕事が忙しく、お留守番していて下さる紫呉さんの言葉
なにげないものかもしれない
…もしかしたら、意図的なものなのかもしれない…
"最後"
『いかないで』
「透?」
「…!?夾君…っ」
「何してんだ、こんなとこで。カゼひくぞ?」
夜、皆が寝静まった後、透は眠れなくて外に出ていた。
「まだ夜は寒いんだからよ」
「あ、はい…。星が、綺麗だったのですよ…っ!前に別荘に招待していただいたときも綺麗で…」
由希君と、流れ星を見たりして。あの時はまだ、知らないことばかりだった。
慊人さんのこと。"絆"のこと。そして皆さんの…夾君の、未来のこと…。
「あー…確かに。星とか都会じゃあんま見えねぇからな。…あ!!」
その時流れ星が流れ、夾は思わず声をあげた。
「わぁ…っ!今の見ましたか!?とても綺麗でしたねっ!」
「ああ。またくるかもな」
「そうです…っ!願い事、願い事を…」
「願い事?」
「はい、願い事です!星が流れている間に願い事をすると、叶うって聞いたことがあるのですよ!」
前のときは、ただただその綺麗さに感動させられて。
でも今は、ひたすら願いたい…