heretic
□ホットポテト
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「クリスか…あいつ苦手なんだよなぁ」
「わがままを言ってられる状況か?アライヴ」
ぼやくジェイドをたしなめる。
アートはサガラの方向を見つめた。
「アライヴ、お前もハトリを使って震鬼のことをもう少し詳しく調べてこい」
「………………………わかった」
「長い沈黙だね〜」
「しかもすげぇ嫌そうな顔」
嫌に決まっている。
不機嫌さを隠さないアライヴに、アートは釘を刺すように名前を呼んだ。
「アライヴ」
「わかってるよ。…今はごちゃごちゃ言ってる場合じゃない。ただあいつはサガラのお抱えだから、イセリアから頼むにはそれなりの報酬がいる」
身内にだって要求する男だ。
言うとアディアはなに言ってるの、と足を組んだ。
「いくらだって出すわよ」
「総隊長太っ腹ー!」
「割り勘に決まってんでしょ」
「あは、やっぱり?」
しれっとそう言ったアディアにルークは両手をあげて笑う。
それを呆れ顔で眺めたアライヴは他の二人と目を合わせてため息をついた。
「とりあえず一週間くらいで調べられるところまで調べてもらうか。…明日か今晩辺り班長会して班長にも連絡回しといた方がいいな」
「だね。ルード隊長、そっちの連絡は頼んだよー」
「了解」
アライヴは自分の影をとんとんと踏むと、影の中の気配が動く。
アズマがそこにいる、話は聞こえたはずだ。
「行け」
言葉と同時に気配が消える。
何をしているのかとこちらを見つめる四人に、アライヴは肩をすくめて部屋を出た。