heretic
□聖域
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「久しぶりだね、リアル。アディアさんとアイス君も」
「あぁ、うん。久しぶり」
「おじゃまします」
「ごめんね、大人数で上がり込んじゃって」
「いえいえ」
ミズホは心底会えたのがうれしいとばかりに微笑んでいる。
特にリアルとはことさら楽しげに言葉を交わしている。
リアルも笑顔で返しているし、親密な雰囲気にこれはもしや、とシンディは質問した。
「もしかしてその子アンタの彼女?」
「は?」
「へっ!?」
気の抜けたリアルの返事とは正反対の素っ頓狂な声。
見れば誰が見てもわかるほどミズホは真っ赤になっていた。
「いや、違うけど」
「何それつまんない」
「か、かかか、彼女って…!!」
明らかに動揺している。
というか動揺しすぎている。
かわいいなぁ、と思いながらついついシンディはちょっかいをかけていた。
「どう?こいつ、悪くないと思うんだけど」
「そ、な、あの」
「はいはいからかわないのシンディ」
可哀想に思ったアディアが助け船を出す。
露わになっているうなじが真っ赤で、口では制止しながらも「初々しいなぁ」と思わず微笑んでしまった。
「あの、ごめんなさい…」
消え入りそうな声で俯いてしまう。
しまったやりすぎた、とシンディは慌てて声をかけた。