×沖田

□@
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3月14日。
今日はホワイトデー。
バレンタインのお返しをする日だ。
だから総司も、何時もよりウキウキしていた。
しかし総司は期待に裏切られた。



「えー、今日土方先生休みなの!?」



朝のHRでの知らせに、総司は納得いかない面持ちだった。
当然だ。
総司はこの日をとても心待ちにしていたのだから...。



「熱を出しておられるのだ...仕方あるまい」



冷静に言葉を並べる斎藤。
そんなことは総司も分かっていること。
しかし不満を口に出さずにはいられないのだ。



「決めた。僕、今から土方先生の家行ってくるね」



総司は斎藤にそう告げると、足早に教室を出ていった。



――――――――――――――



呼び鈴を鳴らすと、しばらくしてから機嫌の悪そうな土方が顔を覗かせた。
何時ものスーツと違い、ラフな出で立ちだった。



「総司...おめぇ学校はどうした」



気だるそうに土方は口を開く。



「サボってきました」



対照的に総司はにっこりと言う。
土方は溜め息をついた。



「何してやがんだ...。さっさと学校戻れ」



「嫌です」



きっぱりと言う総司に、土方はどうしたものかと頭を悩ませていた。



「土方先生の居ない学校なんて...居てもつまんないです」



口を尖らせ言った総司は、まるで子供の様だった。



「ほら、そんな格好で外出たら体調悪化しますよ」



総司は土方の背中を押して、半ば無理矢理家に上がり込んだ。



「ったく...何を言っても聞きゃしねぇ」


口ではそう言いつつも、土方は口元に笑みを浮かべていた。
しかし、余程体調が悪いのか、顔は青白い。
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