ヒナゲシ色の痛み
□The heart name is an know.
1ページ/2ページ
テレビを見ているのも飽きたので携帯をチェックする。
「メールきてるや…」
相手は田中…げ。
内容は…なになに…
『さっきの電話、不自然でしたけれど、もしかして体調が悪いんですか?朱梨さんも大変ですね。ぼくは朱梨さんの味方ですからいつでも言ってくださいね?明日のデートは、大丈夫ですか?』
…さっきの…電話?
そもそもデートってなんだデートって。
履歴、履歴…
この時間は…コンビニ行ってたから…
ナルトか…はぁ…。
アイツ、出やがったな。
変化か!変化なのか!?
深――――――――――――――いため息をつく。
―ガチャ。
バスルームのドアの空く音がした。
とりあえず、断りのメールを入れる。
「…お、お帰り…朱梨…。え、えーと…その…。」
「出たんだ?」
携帯を見せれば「あぁ」と返事をし、目を伏せた。
「…なんで、デートの約束なんかしたの?」
問い詰める私に、ナルトはしょんぼりしながら返事をする。
「だって…彼、氏…なんだろ?田中ってやつ…」
「ないわ。ソレ。冗談でもマジやめて。」