日陰者の戯言
□忍者になる!?
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「ヒカちゃん…。」
風呂上がりにのんびりと
縁側で月を見上げている
私のところへヒナタが
二人分のココアを持ってやって来た。
「ヒナタ!月見するでしょ?」
二人の日課。
月見。
月を見ながら今日何があったか、どう思ったか、いつも話す。
「うん。…今日は…初めて、…バラバラだった…から…。」
「ヒナタ…。そうだね…。あ!ねェ、ヒナタ!ナルトとはどうなったの?今日、何かあった?」
ココアを片手に慌てるヒナタ。
「ナ…ナルトくんとは…別に、なにも…。」
「なにも!?ナルト、ニブそうだもんね…。一日二日じゃそうそう変わらないか―。私が消えたことすら気付いてなさそうだもんね。」
ヒナタは控えめに、でも確実にうん、と頷いた。
「ずっと一緒はムリだろうけど、こんなに早くバラバラになるとも思わなかったな―。」
「うん。私も。でも、私もがんばる。だから、ヒカちゃんも、あんまりネジ兄さんに変なこと言っちゃダメだよ?」
「…変なことって?」
「…ハゲとか…。アホ…とか…。」
ココアを一口飲んで月を見ながら言う。
「それ、両方もう言っちゃった。」
「え…えぇ――!?」
「ネジ兄さん、ケンカ売って来たんだもん。」
「でも…でもでも……言っちゃったの!?」
「うん。ヒナタ、ホラ。ココア、減ってないよ?」
ヒナタが深いため息を吐いて呟く。
「…ヒカちゃんが…凄く心配……。」