日陰者の戯言
□忍者になる!?
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家に帰る頃には日が暮れていた。
それでも今日の家での柔拳の修行はある。
「どうした?ヒカゲ!!お前、今日の任務は顔合わせだけだろう。動きが鈍いぞ!!」
「はい!すみません、父上!」
父上の修行は容赦がない、と思う。
トントン、と前へ踏み込む。
ヒナタの修行をつける前に私が少しでも父上の体力を減らす。
そうすれば…少しは、ヒナタが楽に……。
「はぁ、はぁ、はぁ……。」
「…うむ。双子の妹のヒカゲの方が強い、とはな…。」
「父上、ヒナタは優しいのです。」
「……。ヒカゲ。お前は日向の血に愛されている。もしかしたら…あの、ネジよりも…。」
(嘘だ。)
ネジ兄さんの力は私よりも上。
それでも父上が、そう望むのであれば、私は…。
「私、がんばります。父上…。本家の名に恥じぬ様…。」
「それでこそ、私の娘だ。さぁ、立て。」
さぁ、立て。
父上のその言葉で、私は何度でも立ち上がる。
私は知っている…。
父上の嘘も
父上の望みも。