魔王と死神

□STAGE2 〜私立月光館学園〜
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「・・・朝か。」
ルルーシュは窓から差し込む光を見つつ起き上がる。
今日から月光館学園高等部での生活が始まる。
少しだけ、ルルーシュは楽しみでもあった。
前の世界では、いくらアッシュフォード家がかくまってくれているとはいえ、いつ自分が「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア」だとばれるか分かったものではない。その辺は気をつけなければならなかったし、目と足が不自由な妹ナナリーが居た。
もちろんルルーシュはナナリーの存在が邪魔だった、と言うつもりは全くない。だがナナリーがいたため、普通の生徒よりは少し自由の時間が減ってしまったのもまた事実。
それに最近は、黒の騎士団のCEO、「ゼロ」として忙しく二重生活を送っていて、作戦を立てたり、その作戦の指揮で自由な時間は更に減った。
そしてルルーシュは、この世界に飛ばされる前は皇帝として世界を統治していた。そしてその後殺され、今に至るわけだが、こうして振り返るとルルーシュは生活の殆どをブリタニアへの反逆と世界を壊すために費やされていたことが分かる。
改めてルルーシュは今までの生活に苦笑する。
その分ここは、シャドウやペルソナといったオカルトじみたものは存在するが、元居た世界よりは断然平和。戦争などどこか遠い国の出来事になってしまっていた。
自分のことは誰も知らない。誰かに追われることもなく、反逆も考えなくていい。
無意識のうちに、そんな生活に憧れていたのかもしれないなとルルーシュは少し呆れた。

「・・・さて、時間か。」
もの思いにふけっていたルルーシュは、気を取り直して学校へ行く支度を始めた。
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