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□Sweet Chocolate
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「なぁ、名前なんて言うの?」

中学生の時、偶然にも出席番号が隣になってしまった彼。

小学校は違ったし、全然知らない人。

だけど、紫の髪に意思の強そうな瞳がどうしても気になってしまった。

だから、話しかけた。

「……。」

「無視かよ!!」

クールな奴!!!

彼の第一印象はそれだった。

名前すら教えてくれないそいつの名前を知ったのは自己紹介のときだった。

彼の名前はシンジ、というそうだ。

自己紹介の時も不機嫌そうに、ポケットに手を突っ込んだまま

無愛想に名前を言っただけだったけど

それでも俺の中には不思議と印象を残した。


1学期間、同じ隣の席で少しだけだけど話せるようになった。

以外と良い奴…なんて思いもしたけれども

口を開けば”煩い””ヌルイ””甘い”なんていう言葉が飛び出してきた。

次の印象はクールだけどもウザイ奴!!

に、いつの間にか変わっていた。


それでも、時々見せてくれる優しさや笑顔がどうしても気になってしまった。

「………シンジ」

いつの間にか、シンジと会うのが楽しみになっていた。

これが”初恋”というものなのだろうか?

誰にも、もちろん幼馴染のシゲルにすらも

感じたことのないこの思い。

苦しくて、辛いけど、君の側にいられるのは嬉しいし楽しい。

もっともっと君のことを知りたい、そう思っていた。



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