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□もし、世界が終っても
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『シゲル、久し振り!!』
サトシからの久し振りのテレビ電話。
いつものように明るく、周りを落ち着かせる笑顔。
だけど、あの時の僕は研究で忙しくて
それどころじゃなくて…
「悪いけど、今、忙しいんだ。
ごめん、また後で掛けなおすよ。」
そう言って一方的に電話を切ってしまった。
最後に見たサトシの表情は、
どこか悲しそうにしていたのが頭の片隅に残っていた。
できるならば、僕だって君とたくさんお喋りがしたい。
だけど、この研究が終らないと暇が出来ない。
もし、研究が終ったら
今度は僕からサトシに電話をしよう。
きっとサトシは嬉しそうな表情をするだろう。
あ、それともさっきのことを根に持って膨れっ面になるだろうか?
どっちにしろサトシと話せるだけでも楽しみだ。
そんなことを思い頑張って終らせようと思っていた。
だが、それから数日後
僕の楽しみが簡単に崩れ去った。
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