gift
□大好きな君へ花束を
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空は青く澄み渡っていた。
暖かな風が吹き、草木を揺らしている。
ピカチュウは空を見上げ、
木を背にして眠っている最愛のパートナーを見つめる。
帽子で顔が隠れて見えないが、気持ち良さそうに寝息が聞こえる。
いつも一緒にいるアイリス、デントそれと、ポケモン達も眠っている。
今起きているのはピカチュウだけだった。
(今日は僕が初めてサトシと出会った日だ――)
だから夢を見たのだろう。
あの日、出会い、パートナーとなった日の夢を。
『ピカピー…』
そっと呼びかけてもサトシは眠っている。
随分と疲労が溜まっていたのだろうか?
でも、これはチャンスだ。
サトシに何か感謝のプレゼントをしよう。
ピカチュウは皆を起こさないようにそっと抜け出した。
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