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□ずっと、好きでいていいですか?
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サトシの口から出た言葉あたしが喜べる言葉でない。
あたしは・・・何を浮かれていたのだろうか?
「ヒカリには・・・・シンオウで仲良くしてもらったし別れは辛いんだ。
でも何も言わないで戻るのもヒカリを悲しませるだけかと思って・・・・さ。」
「・・・・・・・。」
「ホントにごめん・・・ホントはもっと一緒に居たかった。卒業するのも一緒にしたかったんだけど・・・・・家の都合で急に決まって・・・」
サトシはホントに申し訳なさそうに呟く。
でも、あたしはそれよりもっと大切な事を伝えたかった。
「・・・・・・・・・・き」
「え?」
良く聞き取れなかったのかサトシは聞き返してきた。
あたしは真っ直ぐにサトシを見つめ、思い切って言った。
「あたしはサトシの事が好き・・・・っ!他の誰よりも・・・・・・」
「・・・・・ヒカリ。俺もヒカリのこと好きだぜ?勿論、ジュンもノゾミもシンジも皆、大好きだ!」
無邪気な笑みでそう言うサトシ。
でもサトシの”好き”とあたしの”好き”は違うのだ。
「違う・・・。あたしは特別な感情としてサトシのことが好きなの。
ホントにホントに・・・・好きなのっ!!!!」
「・・・・・・特別な感情って?」
「〜〜〜〜〜〜っっもういい、サトシなんて大嫌いっ!!」
あたしは吐き出すように言うとサトシを残し教室を飛び出したのだ。
サトシは後を追ってこない。
そりゃ・・・そっか、彼女でもないあたしを追いかけてくれるわけが・・・・ない。
あたしは雨上がりの茜空の下を無我夢中で走って家に帰ったのだ。