短編作成

□君を好きな理由。
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※サトシ女の子化
シンサト/学パロ


付き合い始めてから約2ヶ月。

あんまり会話もなく、恋人らしいこともしない。

ただ一緒に帰るとか、休みは一緒に部屋で過ごすとかぐらいだ。

別にそれに不満があるわけじゃない。

じゃないけど…


時々不安になるんだ。



ホントにオレを好きなのか―…。



君をきな理由。




「なぁ…シンジ。」

「…なんだ。」

「……何でもない。」

いつもと同じように不機嫌そうな低い声。

ん、まぁシンジが明るかったら逆に心配になるけど…。

「……本、面白い?」

「…あぁ」

「何の本?オレにも見せてー」

「止めろ、触るな。」

本を持つ手に触れようとしただけなのに…

そこまで拒絶しなくても…

「…あ、あぁ…ごめん」

そう言って手を戻す。

軽く傷ついた心。

まだズキズキと痛む。

シンジをチラリと見てもシンジは涼しい顔をしている。

オレだけなのかな…

こんなにもシンジを好いていて、触りたいと思うのは…

もしかしたら、シンジはオレのこと嫌い…?

そう考えるのはいけない。っと分かっているけど

一度考えてしまったら止めれない。

「…ねぇ、シンジ…」

シンジがこっちを見るのが分かる。

「……別れようっか…」

ポツリと呟いた声が静かな部屋に響く。

シンジはいつも変わんない表情が驚きに変わった。

あぁ…最後にそんな顔をしたシンジを見れて良かった。

って思ったときだった。

ガシっと両腕を握られる。

痛いぐらいに。

「…ッシンジ?」

「何故…そんなことを言う?」

「…だって、シンジ…オレと一緒にいても本ばっかりだし…

オレが少しシンジに触ったら怒るし…

恋人、らしいっ…ことも…、したことないし…

オレのこと嫌いなんだ、ろうっ?」

目から涙が溢れ出る。

制服のスカートを濡らす。

「…オレ、男っぽいし…言葉遣いも、男みたいだから…恥ずかしいんだろ?」

クラスの男子に言われた事がある。

そのことを思い出して、益々辛くなる。

ズキズキと痛む胸。

苦しくて、辛くて…ホントはシンジとずっと一緒にいたいのに…

「だから、さっ!!!別れようぜ…っ」

顔を上げることが出来ない。

シンジは今、どんな顔をしているのか分からない。

握り締められた腕から力が抜けていくのが分かる。

あぁ…終ったな。

と、思ったときだった。

身体をぎゅっと抱きしめられている感覚。

「シンジ…?」

「…悪かった。」

「……。」

「別に嫌いなわけじゃないんだ…

ただ、…お前が好きで、触れられたら…その、止められなくなりそうで…」

「……っ///」

「お前に…嫌われたくなかった…

それなのに…不安にさせてしまったな…

すまなかった。」

「…っオレのこと考えてくれてたんだ…」

「……それに、俺はお前の男っぽいとこも好きだ。」

「……っ///////」

「…サトシ、好きだ。」

「…ん、俺もシンジ大好きだぜ…///」

真っ赤になった顔。

ぎゅっと抱きしめられている。

この時間が付き合い始めて2ヶ月、一番幸せだ。

「シンジは…俺の何処が好きなんだ?」

シンジの好きな理由って何?



君を好きな理由。(全てが好きだから)



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