短編作成
□会いたくて、会いたくて
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「俺は…お前が好きだ。」
太陽が沈みかけていた空の下で、あいつは言った。
「…っ、」
「……男に、言われても嬉しくない、な…」
ポツリと呟かれた言葉。
その言葉に小さく首を振る。
「…俺も、シンジが大好き…っ」
顔を真っ赤にしながら言う。
それが夕陽でそう見えるのかは分からない。
丁度、その時。
舟の出発する音が聞こえた。
シンジはサトシを見て小さく微笑み背を向ける。
「シンジー!!また、バトルしようなっ」
後ろから声が聞こえ、振り向くことはなく手を振る。
オレンジ色の光が紫色の髪の毛を染める。
その背中が遠くなっていく。
それから数ヶ月。
俺はイッシュを旅している。
最初は新しく見るポケモンにはしゃいでいた。
だけど、最近は違う。
ずっと、大好きな人の顔が浮かんでは消える。
声も耳に残っていて、馬鹿にしたような声が何度も繰り返される。
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