短編作成

□悪夢と希望
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目の前には幼馴染でライバルの姿。

帽子で顔が隠れて表情は見えないけど、ずっと俯いたまま。

風が吹き僕と君の髪が靡く。

君の表情を隠していた赤の帽子が飛んでいった。

それでも何もしない君に少し疑問に思った。

いつもなら煩いぐらいに元気で明るいのに

今の君はいつもの君ではないようだ。

「…サトシ、どうしたの?」

僕はいつものように幼馴染に問いかけた。

だけど君は何も言わない。

僕が一歩近づいた瞬間、顔を上げた。

僕は目を疑い思考がストップする。

その表情は悲しげで、なのに微笑んでいる。

僕は息を呑んだ。

その瞬間

君の身体が後ろに傾いた。

僕は慌てて地を蹴った。




「っサトシ!!!」




君の名前を呼んで


君の手を掴もうと


君を抱きしめようと



僕はサトシに手を伸ばした。



でも、君と僕の指が微かに触れただけで

掴むことは出来ずに君の身体は羽がない鳥のように落ちていった。

最後に君が微かに開いた口から聞こえた言葉が

僕の頭の中に残っていた。



















さ よ な ら





だ い す き だ っ た よ 。










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