短編作成

□大切な君たち。
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君の絶望の悲鳴がまだ耳の奥に残っている。

ホントの”笑顔”を君たちに見せなかったら

俺はまだ君たちの側にいられたかな?

君たちの暖かな笑顔の側に無理しても笑っていられたのかな?

後悔してる?

ううん、後悔なんてしていない。

これは俺が選んだ道なのだから。

だから後悔なんてしていない。

勿論、君たちの前から姿を消すことにしたのも

自分の意思なのだ。

これ以上君たちの暖かな笑顔の近くにいると

君たちの笑顔まで汚してしまうだろう。

そんなことをする前に――

せめて君たちの笑顔を守るために

俺はあえてホントの”笑顔”を見せてから

去るって決めていたのだ。

だから、これも俺の意思。

俺の意思で君たちの前から姿を消したのだ。

絶望で意識を失った君たち。

これで良かったんだ。

君たちが笑っていられるだけで俺は満足だ。

ホントに満足なんだ。

君たちと会えたこと、一緒に今まで旅を出来たこと

俺は絶対に忘れない。

こんなに素敵な思い出がたくさんあるのに

何で涙が止まらないんだろう?

何で涙が次か次へと溢れるのだろう。

止まれ、止まってくれ…頼むから


止まってくれ、俺の涙。


止まってくれないと俺はこの場から離れられなくなる。

自分の意思で勝手な我が儘で君たちに絶望にあわせたのだから

償いとして

君たちの笑顔を守るために

この場を離れるんだ。

だから、頼むから止まってくれ…っ

タケシ、ピカチュウ……そして、ヒカリ。

皆が大切なんだ。

皆の笑顔がホントに好きなんだ。

皆の笑顔を守るために

俺は姿を消すって決めたのだ。

皆の笑顔を汚す前に、俺が皆の側にいると

絶対皆の笑顔を消すことになる。

俺はそれだけは避けたいのだ。

だから君たちが意識を失っている間に姿を消す。

何処か遠い、君たちに決して見つからない遠い場所に

行かないといけない。

さようなら、皆。

さようなら、今まで出会い分かれた人々。

ありがとう。

また生まれ変われたら君たちのような暖かな本当の笑顔で笑えたらいいな。

無理して作った笑顔じゃない笑顔で。

そして、君たちとまた旅が出来るといいな。

それが俺の願い。



大切な君たちへ。
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