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□サトチュウ、リターンズ!!
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「……ピカチュウが…増えた…。」



イッシュリーグ出場を目指し旅を続けるサトシたち。
今日もいつもと変わらない1日が始まるはずだった。

…次の町を目指して滞在していた町から出ようとしていたのだが、いつまで経ってもサトシが起きてこないことを不審に思ったデントとアイリスがサトシのいる部屋に様子を見にきたのだが…。

何故か、ピカチュウが2匹に増えていた。



「…えっと…、…おかしいなぁ…。
サトシはピカチュウを2匹ゲットしていた…とか?」
「えぇ!?そうだったの!?
初耳なんだけど!!」
「ピーカァ…。」
「ピカピ。」



デントとアイリスの会話を黙って聞いていたピカチュウの1匹(何故かサトシの帽子をかぶっている)ががっくりとすると、サトシのピカチュウが慰めるように帽子をかぶったピカチュウの背中をポンポンと叩いた。



「えっと…ピカチュウ。
この帽子をかぶったピカチュウは誰のポケモンか知ってるかい?」
「ピ、ピカピ。」



ピカチュウと目線を合わせるように膝をつき、問いかければピカチュウはサトシの帽子をかぶったピカチュウを指差してひたすら「ピカピ。」と言い続けた。



「……もしかしなくても…、この帽子をかぶったピカチュウはサトシ…とか言わないよね…?」
「ははは…。
何を言ってるんだ、アイリス。
そんな非科学的なことが起こるはずが…。」
「ピッカー♪」



ふと、頭に浮かんだことを言えばデントはありえないと否定した。
だが、どこからもってきたのか、ピカチュウは“○”と書かれたボードを持ち上げた。
まるでアイリスの言葉に「その通り!」とでも言っているかのようなピカチュウの様子にデントとアイリスは帽子をかぶったピカチュウをこれでもか!というくらいにガン見した。



「…サトシ…なの?」
「ピ!」



帽子をかぶったピカチュウにそう問えば、そうだと言わんばかりに、深く頷いた。



「………い!」
「チュウ?」



深く頷いたサトシ(らしい)ピカチュウ…サトチュウは突然俯き…ぷるぷると体を震わせるアイリスを心配そうに見上げた。



「やだもーっ!!
可愛いー!もうたまらなく可愛いッ!
帽子をかぶったピカチュウってのがポイントよね!何!?この可愛さ!!」




サトチュウが心配そうに見上げていると、アイリスは素早くサトチュウを抱き抱え…強く抱き締めた。



「ビーガァ…。」
「アイリス!次は僕も!!」
「ダーメ♪
やーん♪サトチュウ、ゲットしたくなっちゃうー。」
「それはダメだよ、アイリス!
サトチュウは僕がゲットするんだから!」
「デントは電気タイプのマッギョがいるでしょ!!」
「アイリスはエモンガがいるじゃないか!」
「これだけは譲れない!」
「それはこっちのセリフだよ!」
「…仕方ないわね…。
どっちがサトチュウをゲットするかポケモンバトルで白黒つけましょう!」
「望むところだ!」



バチバチと火花を散らすデントとアイリス。
ようやくアイリスの激しい抱擁から解放されたサトチュウはぐったりとした様子で地面に横たわった。
そして、それをまたピカチュウが慰めるようにサトチュウの頭をポンポンと優しく叩いた。

…このあと…、デントとアイリスが白熱したバトルを繰り広げる中、突然元に戻ったサトシ。
元に戻ったサトシを見て、ショックのあまりバトル体勢のままデントとアイリスが固まっていたのはまた…別のお話…。



End
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