短編作成
□実力と経験
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「どうしたんだよ、タケシ。まさか来てるなんて思ってなかったぜ!!!」
久し振りの再会に嬉しそうに話す。
こうやって話をするのは、別れた以来だ。
「いや、俺はちょっとした研修だよ。イッシュにはカントーやシンオウにはいないポケモンが多いからな。」
「なるほどな!!俺もイッシュに来たときは感動したぜっ」
楽しそうに話をするサトシとタケシ。
話についていけないデント達は呆然とその光景を見ていた。
それに我慢が出来なかったのか、アイリスが声を上げた。
「ちょっと、サトシ!!この人誰?」
「あー…そっか、アイリス達は知らないのか。紹介するよ!!!
こっちはタケシ。俺とシンオウまでの4地方を旅していたんだ。今はポケモンドクターを目指してるんだけど、昔はブリーダーだったんだぜ!!!」
「よろしく、タケシです。」
「よろしくね。」
「よろしく!!」
「で、こっちからアイリスにデント。俺と今旅してる仲間だ。」
「私はアイリス!!こっちはキバゴよ。ドラゴンマスターを目指してるの。」
「僕はデントです。ポケモンソムリエです。」
「よろしく。」
自己紹介を終えて4人はポケモンセンターに戻った。
***
「あ、俺飲み物注いで来るよ。行くぞ、ピカチュウ。」
『ピッカ。』
そう言って席を立つサトシ。
走っていく背中を優しい眼差しで見つめるタケシ。
「相変わらず、仲良しだな。サトシとピカチュウは。」
「そうだね、あんなにも仲良しなトレーナーとポケモンは見たことないよ。」
「ねぇ、タケシってサトシが旅立ったときから一緒だったんでしょう?
今までどんな旅してきたのか教えてっ」
「あーそれは興味深いね。教えてくれないかい?」
「サトシから少しは聞いているだろう?」
「ううん全然!!あ、でもシンオウを旅してたって言うのは聞いたわ。」
「それ以外のことは全然だよね。」
うんっ!!と顔を見合わせて笑う。
「…そうか」
タケシが険しい表情をした。
「…いいよ。サトシが帰ってくるまでなら。」
アイリスとデントがどれだけサトシのことを知っているかは知らない。
だけど、この少しだけの会話で分かった。
サトシは何かを思って今の仲間に今までのことは語っていない。ってことに。
もし、この二人に話をしたらサトシの実力と経験が分かってくれるだろうか?
サトシは弱いトレーナーでも
何も分からない素人トレーナーでもないってことに
気づいてくれるだろうか?
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