夏目友人帳

□愛しの君へ
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「あぁ、名取さん」

そう言って君は振り向いてくれる

「撮影終わったんですか?」

「ああ、ちょうど今ね。
 君を見かけたから、あいさつに」

今日も君はやわらかい笑みを
僕に見せてくれる

「あ、ニャンコ先生がいない!?」

「あっちに行っていたけど
 また戻ってくるんじゃないか?」

「そうですね」

正直いってあのニャンコは
僕の夏目に対する思いに気づいている
だから、はっきりいって邪魔だ

「そういえば、今度はドラマですね」

「僕のドラマ、見てくれるかい?」

「ええ」

なら僕はいくら相手の女優が下手でも
僕だけはがんばらなくては・・・

「おい夏目帰るぞ」

ニャンコがスルメをくわえて草むらから
出てきた

「あ、先生!
 じゃぁ、名取さん。僕はここで」

「さようなら」

軽く手を振って僕に背を向けて帰っていく

そして、意味ありげな目をして
ニャンコが歩いていく

「・・・僕の思いは・・・」

いつ届くのだろうか・・・

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