妄想文

□眠る
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眠気を誘う暖かさは体温



自然に落ちてくる瞼

緩く繋いだ手

向き合い絡まる視線





"おやすみ"の言葉と共に合わせた唇の甘さは、最高の眠り薬…










眠る










俺の隣ですやすやと規則的な寝息を立てる元就の顔は、何処かあどけなく無邪気なモノ。
普段のつんけんした、強気な態度がまるで嘘のように思えてくる。



「…ったく…可愛い顔しやがって…いつもこうなら良いんだけどよ…」



ぼそりと呟くと、寝入った彼を起こさないよう注意を払いながら、サラサラした茶色い髪を撫でてやる。

くすぐったそうに顔を擦り寄せる元就のその仕草に、普段の彼の姿を重ねた。



「…無理し過ぎなんだよ…お前は…」



助けなど"必要ない"と突っ張って無理して。
いつ倒れるんじゃねぇかって、こっちは毎日ヒヤヒヤしてんの知ってんのか?

(たまには甘えたって良いんだからよ。…俺はその為にいるのだから。)



「…今は寝てろ…おやすみ…元就」



薄く開いた唇に軽く口付け、露出した手を緩く握った後、いつの間にかずれおちた毛布を肩まであげてやると、自分も布団の中に潜り目を閉じた。





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