妄想文
□落葉
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今、佐助とこんな風に同じ時を分かち合っていられるのは、きっと運命の悪戯で。
"幻想"なんてものはあくまでも偽りでしかなくて。いつかは、このゆるま湯みたいに心地良い関係にも終わりが来る事も分かってるんだ。
だからこそ、この気持ちにケリを付けなければいけないのに…でも、何故か覚悟が出来ない。
それはきっと、自分の中の佐助を恋う気持ちを自覚してしまったからで、。
佐助と結ばれることも、離れることを拒むのも、結局全て私の本心であることに代わりはないのに。
私は彼から離れる事が出来ないんだ。
一時的に色付いても、結局散ってしまう…まるで落葉のような恋ならば、しない方がマシだった。
…それでも、佐助を想う気持ちに変わりがないのはどうして?
彼の橙の髪が妙に目に染みて、少しだけ泣きそうになった。
fin.
→後書き