book.2

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「エース!!!」

学校の帰り道をボーッと歩いていると、後ろから自分の名前を呼ぶ、元気な声が聞こえてきた。

「ルフィ!!」

振り向くとそこには、予想通り麦わら帽子を首の後ろに引っかけた少年が、眩しい笑顔で手を振っていた。

「ししっ!久しぶりだな!エース!」

エースは、ぴょこぴょこと近づいて来たルフィに、そうだな、っと笑顔を向けた。
ルフィに会ったのは入院していた時以来だ。

「なぁ、エース。今から暇か?」

ルフィがくいくいっと服の裾を引っ張る。
そんなルフィの仕草に可愛いなぁ、っと思いながらこれからのスケジュールを思い浮かべた。

「んー、予定はないけど…」

「本当かっ!!なら、一緒に遊びに行こ!」

ルフィは嬉しそうに顔を輝かせると、そう言うがはやいか、エースの腕を掴みグイグイ進みだした。

「え?お、おい、ルフィ?」

エースは、今、下校途中なんだけどなぁ、っと頭の片隅で思いながらも、楽しそうに腕を引くルフィに、まぁ、たまにはいいかな。っと歩く速度を上げルフィの横に並んだ。


* * *


「ゲーセン?」

ルフィに連れられるまま歩いて行くと、ゲームセンターに着いた。
そう言えば最近来てなかったなぁ…。
ぼんやりそんなことを考えていると、なぁなぁっとルフィが腕を引っ張ってきた。

「エース!あれ取ってくれ!」

ルフィが指差していたのは、色とりどりなチョッパーマンのクレーンゲームだった。
チョッパーマンは最近流行っているトナカイのヒーローのことで、とても可愛いと男女問わず幅広い年齢層にうけている。
どうやら、ルフィもチョッパーマンの虜のようだ。

「よしっ!俺に任せろ!!」

財布から小銭を取り出し機械の中に入れた。
ピロリロリンっと軽い音がなりゲームの開始を告げる。

――何か緊張する。

ゆっくりと進むクレーンを真剣に見詰めながら狙いを定める。

―ーあの赤いマントの奴にしよう。

ゆっくりした動きでクレーンが赤いチョッパーマンに降りて行く。
クレーンは見事にチョッパーマンを掴むとゆっくり上に持ち上げた。

「よしっ!」

取りだし口にポトッと落ちてきたチョッパーマンを取り出すと横で様子をじっと見ていたルフィに見せた。

「すげぇな!エース!!」

「ハハッ、まぁ、昔結構やりに来てたからな。」

エースはそう言うと、ほらよ。とチョッパーマンをルフィへ投げ渡した。

「え?もらっていいのか?」

「俺あんまそういうの付けないからやるよ。」

ありがとっ、と抱きついてきたルフィに、エースはデレデレと顔を緩ませた。

「あ、そうだエース。俺エースとあれやりたいんだ!」

「あれか?」

ルフィが指差す先にあったのはプリクラだった。

「なぁ、一緒に撮ってくれるよな?」

「あぁ、いいよ。」

そういうとルフィは今人気No.1だと言う機会に入りお金を入れて、慣れたようすでフレームなどを選びだした。

「ずいぶん慣れてるな。」

「おぉ!前に何回か撮ったことあるんだ!…よしっ、ほらエース、ピーース!」

機会が撮影3秒前のカウントダウンを数えだしたのであわててカメラに向かって笑う。

カシャと軽い音。
何枚か撮影すると、そのなかから、いくつか良いのを選んで落書きコーナーに移った。

「出来上がるまで見るの禁止だからな!」

そういうと、画面を隠しながら落書きを始めるルフィ。
エースもそれに習って落書きを初めた。




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