book.2

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※エース達が住んでいるのは少し田舎の方だとお考えください。





あぁ…うぜぇ……

数日前から降り続いている雨の中を、傘もささずに進んで行く。
学校を出るとき、エース!風邪引くぞ!!と、友達が叫んでいたが、そんなこと気にも止めなかった。

雨は昔から嫌いだった。
雨はいつも大切なものを持って行く。
大好きだった母親も、幸せだった日々も全て。

あぁ、もう、なにもかもがうざったい……

そばかすのある頬を伝う水滴も、じっとりと体に張り付くシャツも、ぐずぐずに濡れた靴も。
全てがイライラを募らせる。

俺は道の脇にあった小さな祠におもいっきり蹴りを入れた。
すると、古いこともあってか木で出来た祠は、バキッと音を立てて穴が空いてしまった。

あ…ばちが当たるかな…?
そんなことを、ぼんやりと考えながら穴の空いた祠を見下す。

天罰だろうが何だろうが当たるものなら当たればいい。
所詮神様なんて何処にも居ないんだから。

視線を祠から外し空に向ける。

相変わらず、ザーザーと雨は降りやむ気配を見せない。

びしょびしょに濡れた癖毛の黒髪を、苛立たしげにかき回した。

今日は、嫌な予感がする。

それが先ほどから苛立ちを更に倍増させている。
さっさと家に帰ろうと足を進めた。


俺の予感は的中した。

悲鳴の様なブレーキ音がしたかと思った後、俺の目の前は真っ白になった。

周りからは女の悲鳴や、慌てたように俺に声をかける男の声が聞こえてくる。



あーあ…
俺、ばちが当たったみたいだ……

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