book.2

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エースは、いつものようにふらふらと学校からの帰り道を歩いていた。

結局あのあと、ゲーセンの周りを探したが、ルフィと会うことはなかった。

何か事件に巻き込まれたのではないかと考えたのだが、そんなに遅い時間だったわけでもないし、あの時間帯は人通りも多いため、その可能性は薄いだろうと、そのまま家へ帰ることにした。

元々、神出鬼没で、突然現れては突然いなくなるようなルフィのことだから、また何時ものようにひょっこり出てくるだろうと思っているのだが、可愛いから変な奴に誘拐されたんじゃないか、とか、もしかして神隠しかっ!とか、マルコとかに言ったら、いっぺん死んでみろ、と言われかねない考えばかりが、あれからずっと頭の中で何度もループしている。

普段なら、まぁ大丈夫だろう、で片付くことなのだが、ルフィが絡むと小さなことでも柄にもなく、あーでもない、こーでもない、と考えこんでしまっている自分がいる。

この気持ちが何か、そういったことに鈍いエースにはさっぱり分からなかった。

きっと実年齢よりずっと幼く見えるルフィを弟のようだと思っているのだろう、という答えになった。

だが、実際ルフィはいくつなんだ?とか、そういえばルフィのこと何も知らないなぁ。とかを考え落ち込んでいる時点で、それはもう弟ではない。

エースは深くため息を吐くと、足元に目線を下ろした。


「……だから…それはな」


しばらくうつむいたまま歩いていると、聞き覚えのある声がした。
顔を上げてみるとそこには、ずっとエースを悩ませている原因であるルフィがいた。

「ルフィ!」

「え…?エース!?」

近づこうとしたエースだったが、スッと間に人が割り込んできた。

「お前…あのときの奴だな……」

「麦わら屋になんのようだ。」

間に割り込んできたのは、ゲーセンで見かけた、赤毛を逆立てた派手な男と、変わった帽子に目の下の隈が目立つ男2人だった。

「……何だよお前ら」

エースはこの二人を見かけたときのルフィのことを思い出し小さく身構えた。

「それはこっちの台詞だ。お前こそ、麦わら屋とどういう関係だ。」

「どういうって、それはっ……」

何故か言葉に詰まった。
正直自分達はなんなんだろと思った。
一緒に遊びに行ったりしているので友達でも間違ってないのだが、何故か、ただ友達という関係に不満があった。


沈黙をどうとったのか、男たちは鼻で笑うと、エースを睨んだ。

「どうせお前もルフィを利用しようとしてる輩だろ。」

「!俺はそんなんじゃっ「っエースはそんなんじゃねぇっっ!!!」

ルフィが突然出した大声に3人とも驚いたように、顔を真っ赤にして怒った様子のルフィを見た。

「ロー、キッドいい加減にしろっ!!なんで何時も何時もそんなこというんだっ!!」

「っ俺らはただ麦わら屋が心配なだけだ!!」

「心配してくれてるのは嬉しいけど、俺はもう子供じゃないっ!!!」

「あ、待て!!ルフィ!!」

ルフィはローとキッドを押し退けるとエースの腕を掴み逃げように走り出した。
ルフィ達の口論に呆気にとられていたエースは、突然引かれた腕に転びそうになりながらもルフィのなすがままに走った。





―――ただ君が心配なだけなのに

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