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□!サンジ誕生日!
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俺が一体何をしたと言うのだろうか………

いつもどうり早めに起きて…
いつもどうり朝飯作って…
いつもどうり愛しのナミさんとロビンちゃんにコーヒーを出して…
いつもどうり昼飯作って…
いつもどうりバカみたいに騒ぐアホ2人と1匹を呼びに行って…
いつもどうり食後の一服をして……

それで、そのあと少しうたた寝したんだ…が……



えっと……………何で俺は縛られているのだろうか…………?


「おう。起きたか、ラブコック」

椅子に縛りつけられた自分の体を、どうしたものかと見ていると、ゾロが扉を開けて入って来た。

「……どういうつもりだマリモ野郎…」

俺はキッとゾロを睨んだ。

ゾロはそれに動じる様子もなく、椅子に縛られた俺を下から上まで見ると、いいざまだな、と悪戯をしかけた子供の様に笑った。


少し距離をおき、俺の前にどかりと座る。

「おい!どういうつもりだって聞いてんだよ!クソマリモ!!」

「さぁ…何だろな」

クソッ……何なんだよ一体。
拘束を解こうと手足を動かしたが、思った以上にがっちり縛られている。
ならば、ロープを切ってしまおうかと周りに刃物がないか見渡したが、ナイフどころか、ハサミでさえ置いていなかった。

苛立つ気持ちを落ち着かせようと胸ポケットに入れているタバコを取ろうとした腕が自由に動かないことを思いだし、更にイライラとする。

ふと時計を見るともうすぐ3時になろうとしていた。
あー…もうすぐルフィが飯っ!!と騒ぎだすころだな…

ルフィが騒ぎだしたら、それを理由にほどかせようかと考えていたが、それから何分経ってもルフィの声は聞こえて来なかった。

可笑しいな……?
いつもなら食べ物が貰えるまでしつこく引っ付いてくる(別に嫌ではない)のだが、今日は騒ぐどころか話し声すら聞こえてこない。

俺はもう一度時計を見た。針は30分を少し過ぎたところを指していた。

俺はため息をつく。
ほどかせる口実がなくなってしまったこともあるが、何よりルフィが頼ってこないことに気を落とす。

今日は最悪な日だ…

俺は天井を仰ぎ、気持ちを落ち着かせるためにゆっくりと目を閉じた。




「………サ……ジ………!!…………ンジ…………サンジっ!」

ぱちりと俺の名前を呼ぶ声に目を開けた。
どうやら眠っていたらしい。

「サンジ!起きたか?」

ひょこりと俺の視界に大きな黒瞳が現れた。

「おう。クソゴム」

おはよう。と笑うルフィの頭へ手を伸ばそうとして、縛られていることを思いだす。

ルフィはもそもそと動くサンジを見て、あ!今ほどくからな!!とがっしりと縛られたロープをほどいていく。

「あー。何か色んな所がいてぇ…」

俺は拘束から解放されるとぐぅっと伸びをした。
長い間同じ体制でいたためか、体の節々に痛みがある。

「ごめんな、サンジ。俺がどうしてもって言ったから、ナミがそれまで動けない様に縛れって言ったんだ。それにゾロにサンジの見張りは難しいから、縛っといた方が色々楽だってさ。」

「…ルフィ、もっと俺にも分かる様に説明しろよ」

「ん?分かるだろ?まぁ、とにかくこっち来てくれ!!」

いや、分からねぇよ。と心のなかでツッコミながら、俺の腕を楽しそうに引くルフィに自然と口の端が上がる。

「おい。何処に行くん…」

パーンッ!!パパーン!!

ルフィが、ずっと俺が縛り付けられていた部屋の扉を開けると同時に大きな音と、カラフルな色が舞う。

「「「「「「「お誕生日おめでとう!!!」」」」」」」

「……あ、…え……?」

そういえば…今日は俺の誕生日か…

突然のことにぽかんとしていると、そこに、ろうそくが立てられたケーキを、落とさないよう慎重にチョッパーとウソップの2人が運んでくる。

ブルックの演奏と共に誕生日を祝う歌をみんなで歌いだす。

俺は歌の終わりと同時に火を吹き消した。

「サンジ!!おめでとう!!」

ししし!っと笑うルフィを俺は力一杯抱き締めた。

クソっ…柄にもなく泣きそうだ。

「これからもずっと宜しくな!!」

まったく、俺は何時まででも、何処まででもずっと側にいてやるよ。

「みんな、ありがと…!!」

俺は嬉しくて泣きそうなのを誤魔化すようにルフィの肩に顔を埋めた。

「よし!今日は宴だ!!!」

ルフィの高らかな声が船に響く。



形の悪いケーキは少ししょっぱかった。




(サンジ産まれてきてくれてありがと)



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