男古
□放置プレイってなんですか
1ページ/2ページ
「ふーるいーちくん」
「なんだよ」
今日は男鹿の誕生日だ(たぶん)。
で、俺は、今、その男鹿の家に来てる。
「ふーるいーちくん」
「だから何?」
「おまえ、何か今日冷たくねーか?」
そういう男鹿を、俺は塵虫を見るような目で、睨んでやった。
そりゃあ、冷たくもなりますよ、ホント。
だって、俺が今、せっかくの夏休み最後の日に、こうして男鹿の家にいるのは、この部屋の主の、溜まりに溜まった大量の、夏休みの宿題を、手伝ってやってるわけで、こんなの全然面白くねーし!つか男鹿はそこにつっ立ってないで、この宿題を自力で解け!って感じなわけだし…
「なぁ、古市くーん」
「はぁ……。だから何、って言ってんだろ…?」
もう、ホントなんだよ、さっきから、おんなじ事ばっかり言いやがって。
なーんて思ってたら、
「今日は、何の日でしょーか?」
と、ようやく違う事を言ってくるから、俺は、一応シャーペンを走らすのをやめて、
「野菜の日」
と、言った。
だって、そうだろ?
8(や)、3(さ)、1(い)だし。
まぁ、たぶん、あの男鹿の事だから、自分が誕生日だと言うことを、気付いてほしいんだろうけど。
でも、それを言ったら、確実にプレゼントを要求されるだろうし…
なら、男鹿のやつは、
「ぶっぶーーっ!残念でしたーっ!」
なーんて、クソデカい声で言って、何気に…ってか、本気でうるさかったから、無視ってやった。
.