男古
□俺に何をしたんだ3
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俺は、自分の頭がよい方ではないと、知っているつもりだった。
だからテストとかいうやつでも、いつも、ものすごく点が悪い。
しかし、俺は、今、重要な問題を解いて、正解だったといった感じだ。
普通なら、喜ぶべきだろう。
でも、俺は今素直に喜べない。
なぜなら、その答えが、わからない方がよいものだったからだ。
「………男鹿?」
「ん、な、なんだ?」
「…さっきから何焦ってんだよ?あ、ようやくおまえも今の状況がまずいと気付いたのかよ…………はぁ」
「べ、別に焦ってなんかねーし」
俺は気付いてしまったのだ。
こんな風になってしまった理由に。
ふと、部屋の隅で、体操ずわりをし、顔を伏せ、何やらぶつぶつ嘆いている古市を見る。
俺、あいつが寝てる間に…
古市にキスしたんだ。
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