男古

□ファーストキスはレモン味
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―――ファーストキスは酸っぱい味がする。


そんな噂をどこかできいた事があるが、確かに俺のファーストキスは、酸っぱい味がした。







それはいつものように、放課後、男鹿の家に遊びに行った時。


「古市ー」



「ん、何?」



ゲームのコントローラーを握り、負け続けている格闘ゲームを続ける。



「酸っぱい。」



「は?」



「レモン味の飴酸っぱい。」



「知らねーよ。」



「だから換えろ。」



俺の口の中には、イチゴ味の甘い味が広がっている。



「いやだ。」



「いいから換えろ。」



「いやだってば、馬鹿男鹿。」



「はあ?!……換えてくれないならもういいから。」



そういうと、男鹿は、突然俺を床に押し倒した。



「はぃ?…………んっ!」



え……………?
俺………

男鹿にキスされてるっ?!

すると、口の中のイチゴ味が奪われ、代わりに酸っぱいレモン味が広がる………


「ぷはっ!……お、おまえ、何してんだよ?!」



お、俺のファーストキスがぁー!!

なんて、当時はあんま、気にしてなかったけど。




でも、今考えたらなんか………


「なんか、なんだよ。」



「え、え、え?!お、男鹿?!ってか、心読むなーーっっ!!」



「今考えたら、幸せだったなぁとか?」



「なんで、そーなるんだ?!」



「もー、しかたねーなぁ。甘えんぼな古市くん」



「いぎぁぁぁぁぁぁぁっ!」




END←ぇ
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