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□僕は人間になりたかった
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・一切セリフ無し








とある場所に、人並み外れた怪力を持つ少年が居た。

ある日兄弟と喧嘩した時目覚めてしまったその力のせいで、少年は人から恐れられ『怪物』と呼ばれる人生を送ることになる。


少年の胸の内にある優しい心も、

ただ平和に過ごしたいという小さな願いも、


誰にも理解されないまま。



後に少年は、東京池袋の街で喧嘩人形という池袋の住人にとって恐ろしい存在として名を知られていく。







とある場所に、人間愛を語る眉目秀麗な少年がいた。

少年は実に秀才で、普通に過ごすには支障も何も無かった。
しかし、少年の中に潜む人間愛は異常なものであった。人間全てを愛している、その叫びは人を恐れさせるに十分なものであった。


少年は宇宙人のようだと囁かれ、

自身の愛する人間に受け入れられることはなかった。


後に少年は、東京池袋の街で危険人物として人々に広まることになる。







二人の少年は、少年から青年へ成長する時期に巡り合い、互いにぶつかり、殺し合いと呼ばれる喧嘩をする仲へと発展していく。

他から見れば正反対であった二人。しかし、二人の唯一の共通点があった。


誰にも理解されない、
誰にも気付いてもらえない、

それは自分と周りが違う存在だと思い知らされるに足ることだった。



二人の少年、いや二人の怪物の思うことは一つ。




僕は人間になりたかった




だからこそ彼らは人間に憧れ、人間を愛したのだろう。


(互いに同じ思いを秘めた怪物は、)
(直にその思いを知り、)
(互いに惹かれ、)
(互いを愛すことになる。)

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