記念小説

□ハッピーニューイヤー!
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「うわ〜、入りにくい」


 俺は今この辺りでは有名な高級マンションの前に居る、何故こんな所に場違いな僕が居るかと言うと数日前に遡る



「シンシ、正月は何か予定は入っているのか」

「いえ、別に何も実家は遠いので寮に残ろうかと思っていますが?」

「そうか、なら俺ん家に来い」

「は?」


というわけだ


「はぁ、何故俺はこんな目に」


とか文句を言いつつ来ているのは惚れた弱みなのだろうか


「いや、別に会いたくないわけじゃないんだけどでもやっぱり俺がこんな所に居るのは不自然だよなぁ、入りにくいなぁ」

「そんなとこで何してんだシンシ」

「うわぁ!!!」

「何だそんなに驚いて」

「急に後ろに立つなよビックリするだろ、ってどこ行ってたんだ?」

「買い出しだよ、お前が来るのに何もないのはマズイと思ってな」

「そっか、ありがとう」

「それより何で中に入らないんだ?」

「う…なんか場違いな気がして入りにくかったんだよ」

「クク、お前は俺の何だから場違いじゃねぇだろそれに、今のうちに慣れとかねぇと後々困るのはお前だぞ」

「?何で」

「お前はそのうち天王子家に入る事になるんだからな」

「な…それは無理だろう、お前は長男なんだから跡取りとかの事もあるし…ずっとは一緒には居られないだろ…」

「…」


 自分で言って悲しくなってきて下を向いたままそう言うと急に無言になった空牙に腕を掴まれてマンションの中に引きずり込まれそのままエレベーターにのったと思ったら部屋についたようで部屋に入るなりベットに投げ飛ばされ覆いかぶさってくる


「な、なに」

「俺の前で二度とそんな事を言うな」

「でも、先の事なんて分からない空牙はモテからいつ俺に飽きるか分からないし、ご家族にだって絶対反対するだろうし、きっとすぐに俺なんかより素敵な人が現れるだろうし…そしたら俺は」

「そろそろだまらねぇとシンシだろうが殴るぞ」

「空牙?」

「俺は、お前が好きだと言ったお前は俺が信用出来ねぇのか」

「ちが、そうじゃなくて…俺は、自分に自信が無いんだ」

「…俺にだって先の事は分からねぇがシンシに飽きることは絶対に無い、それに家族にはすでに話してある反対はされなかった跡取りについてだがそれは心配ない養子を取ればいいだけの話だ、後紳士より素敵な奴なんてい居るか」

「でも…」

「でももへったくれもあるか、家族にお前の事を話したという事は結婚前提じゃなきゃ言えねぇよ」

「け、結婚!!!」

「当然だ、取り消しはきかねぇどんなにお前が騒ごうが手遅れだ、絶対に逃がしてやらねぇから覚悟しとくんだな」

「な、え!!」


 顔を真っ赤にした紳士はしばらくアワアワした後に空牙の背に腕をまわし、小さな声で囁いた

「宜しくお願いします」

「任せろ」


 二人は自然に唇を重ねるのだった


「あぁ、それと俺まだ怒ってるからな」

「え;」

「というわけで、このまま夜までヤッて姫始めでもするか?」

「い、いやまだお昼だし早いかなぁなんて」

「お前に拒否権は?」

「…ありません」

「じゃぁとりあえず、頑張れ」

「はい…」


 そのままここぞとばかりに口では言えないアレやコレをされなんとか姫始めは思いとどまってもらったものの二度と空牙を怒らせまいと胸に誓う

「クスクス、大丈夫か」

「大丈夫じゃない、何でそんなに平気そうなんだよ」

「鍛え方が違うからな」

「うぅ、不公平だ」

「クスクス、お、もう12時だな」

「え、あホントだ空牙明けましておめでとう今年も宜しく」

「あぁ、これからも、宜しく」

「あ、うお願いします」

「あ、明日家族にあいさつに行くから」

「はぁ!聞いて無い!」

「今言った」

「こんの…俺様」

「そんな俺も好きだろ?」

「……嫌いだ!!!」


 どんなに騒ごうと逃げられない、そんなのとっくに分かり切っている位惚れているなんて絶対口が裂けてっも言えない・・・。
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