短編
□頑張れ秀成!!
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その日の放課後、雄一は先生に雑用を押し付けられ、終わった頃には、もう校舎には誰も残っていない状態だった。
あの、くそ担任、雑用押し付けやがって今日は早く帰りたかったのに……。
教室に戻り教科書も何も入っていないカバンを取り帰ろうとしていると。
ガラガラッ。
「あれ? もう雑用終わったの??」
「秀成、何で雑用してる事知ってるんだよ……」
「へへっ、雄一の事なら何でも知ってるよん」
「……」
「ねーねー雄一っ、一緒に帰ろーよ」
相変わらず秀成はヘラヘラした笑みを浮かべている。
どうしよう、今度はどうやって逃げようか……。
作戦Bは使っちゃったし……。
「いや、俺っ急いでるから先帰るよ……」
そう言い、秀成の横をすり抜ける。
逃げれたと、思った瞬間。
ガシッ!!
「!?」
すれ違いざまに、秀成は雄一の腕をつかんだ。
「なんだよ? 離せっ!!」
「嫌だね、そうやって逃げるのも、いい加減にして欲しいね」
「ーーっ」
真剣な顔をする秀成に、雄一は動揺する。
「いつまでそうやって逃げてるつもりなの? 僕もそろそろ疲れてきたよ」
「じっ、じゃあ俺に構わなけりゃいいじゃんか……」
「ふ〜ん、雄一は俺がいなくてもいいんだ?」
「いや、そんなんじゃなくて……だって最近の秀成、変だったし……」
「変なのは雄一のほうじゃん。ずっと僕の事避けてた」
「それは……」