短編

□頑張れ秀成!!
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キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴り響くココは、俺と秀成が通う高校だ。
ちょうど今1時間目が終わるチャイムが鳴ったのだ。
俺は秀成と花火をして以来さらに気まずくなり、以前よりも目に見えて避けるようになった。
クラスも違うし簡単に避ける事ができるはずだった。今までだって簡単に距離をおく事ができていた。

だが……秀成は……。


「ゆっういちぃぃ〜〜」

来たっ!!

俺はその声を聞き机に顔をピッタリつけ、手で顔を隠し寝たふりのポーズをとる。

秀成は今にも雄一に飛び付きそうな勢いで手を振りながらやってくる。

「雄一、寂しかったか?」

「……」

秀成はあの日からどこか頭を悪くしたらしい。
俺がどんなにシカトしてもこんな調子でくっついてくるのだ。
今じゃ俺のクラスの皆は引きまくり遠巻きに見ている状態だ。


「ねーねー雄一! 寝てるの? 起きて〜〜!!」

秀成は雄一の体を揺すりまくる。

「……」

それでもシカトしていると、ピタッと秀成の動きが止まり気配が消える。


もう行ったかな……?

そう思いゆっくり顔を上げると……。

「ーーっ」

「なぁ〜〜んだっ、やっぱり起きてるんじゃん」

ニッコリ笑った秀成の顔があった。


やられた……。


後悔しても、後の祭り。


よしっ! 作戦Bで行こう!


「ぁあ〜〜よく寝た」

「えっ!? 本当に寝てたの?」

ガタンッ!!
雄一はおもむろに立ち上がる。

「あっ!? そう言えば俺、先生に呼ばれてるんだった、行かないと」

そう言うと走り、教室を出るが、もちろん先生に呼ばれている訳じゃないのだ。
ふぅ〜なんとか逃げれたな。
さて、次の授業までブラブラするか。


最近の二人はずっとこんな事を繰り返している。
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