庭球 短編
□私≠主人公
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テニスコートに群れる人だかりを、屋上から眺めた
彼女らは本気でテニス部を応援しているのだろう
下心など全くなく、心から
理由は簡単
下心など持ったって、届くことはないのだから
それは、この立海大付属中学に通う全生徒の共通認識
彼らテニス部の目には、一人のマネージャーしか映っていない
可愛くてドジて必死に働く、
テニス部のアイドル
おごり高ぶることもせずテニス部の愛を一身に受ける、
まごうことなきヒロイン
誰も彼女を嫌わない
異常なくらいいい子だし、明るいし、可愛いし
唯一手を出そうとした女子は現在メンタル面で入院中と聞く
(何があったのかは知らない)(知りたくもない)