四季鬼【薄桜鬼・LS】

□21.キミへの愛の隣〜25.瞳の声
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【21。キミへの愛の隣】


[ 総司 視点 ]







ねぇ・・・。
キミは僕が好き?


故郷に帰る支度をしてるキミを遠くの窓から見つめてる。



そういや、さっき。
キミの事、一君が抱きしめてたね。
ってか、口付けしてたように見えたんだけど。
丁度千鶴ちゃんが通りかかったから直ぐに離れたけど・・・あれ、千秋だったら、面白かったのにね?

惜しかったなぁ・・・血を見たかも。

まぁ、ライバルは少ない方がいいからさ。

この際、一君には痛い目にあってもらっちゃって?






琥珀ちゃん。

僕はね、キミが好きなんだよ。


キミの膝で眠ったあの日も
抱きしめたキミの温もりを感じたあの時も
可愛らしいその唇に触れた瞬間も・・・・


僕は・・・忘れない。


キミが好きすぎて・・・離してあげられない。


キミを好きだと自覚して、どこか知らない所にキミを連れ去ってしまいたくなったその時には、もう・・・。


・・・もう、僕には時間が残されてなくて。


キミを幸せにしてあげられる自信がなかったから・・・こうして、遠くから見つめてる。








ねぇ。
もしも僕に時間がたくさん残っていたら・・・



キミを好きだと言って奪ってもいい?





好きだよ。

僕は・・・ずっと、キミが好きだったんだよ。





初めて会った、あの街角で、僕はキミに恋をしたんだ。




また会えることを、らしくないけど心から願ってた。







夜の街で、キミが白い鬼達を殺した時。

あの時・・・。

あれから僕の運命の歯車が動き出したんだよ。




恋の・・・歯車。





キミの黒い瞳はキラキラと陽を浴びて輝く。
キミの黒い髪はサラサラと風にたなびく。
一瞬一瞬が、曇った僕の心を綺麗な水で洗い流してくれてるんだ。

どんな僕でも、キミは大地のように受け止めてくれる。


その・・・微笑で。








どれだけ、キミに依存してるか・・・わかる?

時々いなくなっては、ふらっと顔を見せに来る。
そして、いつも僕の事を見つめてくれる。




その瞳が、僕を拒まない限り
僕はキミの側で眠りたい。




それが叶わないのだったら・・・。
僕は悪魔に魂を売って、鬼にでもなるよ。







あっ、
キミは鬼・・・だったね。




でも・・・。
キミの『鬼』とは違う、まがい物の『鬼』。
キミのように黄金に輝く『鬼』にはなれないけど。




キミを連れ去って、仕舞えるのなら
僕は何にでもなるよ。

この身がどうなったって、構わない。




キミを・・・
僕だけのモノにしたかった。












隙を見て・・・僕はキミの部屋に滑り込む。
驚きながらも微笑んでくれるキミを抱きしめる。


僕の気持ち・・・本当は知ってるくせに。
キミはいつも僕を焦らしてばかり。


僕は唇を這わしていく・・・。


その潤んだ瞳も
紅く染めた頬も
艶やかな唇も
柔らかな耳たぶも
しなやかな首筋も
ふわっとした二つの膨らみも
キュッと締まったたおやかな腰も
蜜を湛えて、主人の帰りを待つその秘所も・・・。


全部、僕のモノ。




今、この瞬間。
キミを僕のモノにして・・・いいよね?







えっ。
ダメ・・・なの?




・・・ふふふ。
冗談だよ。






じゃぁ、さ。
約束・・・してよ。



また、会いに来るって。



キミ無しじゃ、もう生きられないんだ。





僕は・・・。
キミへの愛に狂ってる。








愛してる・・・琥珀。
愛してる・・・。





どうか、忘れないで。
キミの事、愛してた僕の事を・・・・。












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